プレスリリース配信サービスの選び方|料金・配信先の比較軸
プレスリリース配信サービスの選び方を解説。料金体系、配信先メディアの数と質、SEO効果、操作性など比較すべき軸、無料/有料の違い、自社に合うサービスの見極め方まで実務目線で整理します。
プレスリリースを書いたら、次は「どこから配信するか」です。配信サービスは複数あり、料金も配信先も異なります。選び方を間違えると、費用をかけたのに狙ったメディアに届かない、ということになりかねません。
この記事では、プレスリリース配信サービスの選び方を、比較すべき軸と自社に合う見極め方の観点から実務目線で詳しく解説します。PR TIMESをはじめとした主要サービスの特徴、料金体系の違い、BtoB企業が使う際のポイントまでまとめています。各社の詳細な比較は PR TIMESと@Pressの違い(5社比較) も合わせて参照してください。
プレスリリース配信サービスとは
自社のプレスリリースを、提携する多数のメディアやニュースサイトに一括で配信してくれるサービスです。自力で1社ずつ送るより、効率的に広く届けられます。
配信サービスを使う主なメリット
- 効率性:メディアリストの管理・個別送付の手間を省ける
- 到達範囲:自社では接触できない多数のメディアに一括配信できる
- SEO効果:配信されたリリースが複数サイトに転載されることでSEO的な効果も期待できる
- 信頼性:主要サービスからの配信は、メディアからの信頼度が高い
- 管理機能:配信後の閲覧数・転載状況などをレポートで確認できる
配信サービスを使わない場合との比較
| 手段 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 配信サービス利用 | 効率的・広い到達範囲・SEO効果 | コストがかかる |
| 個別送付(自力) | コストゼロ・ターゲット精度が高い | 手間がかかる・到達範囲が限られる |
| 両方の併用 | 効率と精度を両立 | 運用工数が増える |
実務では「配信サービスで広く配信 + 重要メディアには個別フォロー」という併用が最も効果的なケースが多いです。
主要サービスの概要と特徴
PR TIMES(ピーアールタイムズ)
日本最大規模のプレスリリース配信サービスです。
特徴
- 配信先メディア数:国内最多クラス
- 配信されたリリースが自動でPR TIMESサイトに掲載される(SEO効果あり)
- メディアや一般ユーザーが閲覧する「プレスリリースメディア」としての機能も強い
- 報道関係者だけでなく、一般消費者にもリリースが届く
料金体系
- 従量課金(1配信ごと)と月額定額プランあり
- 定額プランは月3〜5万円前後から(2026年時点の目安)
向く企業
- BtoCも含む幅広い発信をしたい企業
- SEO的な露出を重視したい企業
- 一般消費者・投資家へのリーチも意識している企業
@Press(アットプレス)
特徴
- ビジネス系メディアへの配信に強みがある
- 掲載メディアの質・業界メディアへのリーチが評価されている
- 記事内容を編集部が確認する「PR記事配信」メニューもある
料金体系
- 1配信ごとの従量課金(1〜3万円台から)
- 複数回利用のパックプランあり
向く企業
- BtoB企業・専門性の高い発表をしたい企業
- 業界メディア・専門誌へのリーチを重視する企業
共同通信PRワイヤー(Kyodo PR)
特徴
- 共同通信グループの信頼性とネットワークを活用
- 主要紙・テレビ・通信社へのリーチが強い
- 英語配信・海外配信にも対応
- 大手・上場企業向けの利用が多い
料金体系
- 従量課金(2〜5万円前後から、プランにより異なる)
- IR(投資家向け広報)対応プランあり
向く企業
- 上場企業・IRが重要な企業
- 主要メディア・全国紙への掲載を狙う企業
- 海外向けの発信も必要な企業
ValuePress!(バリュープレス)
特徴
- 業界最安値クラスのコストパフォーマンス
- 無料プランがある
- 中小企業・スタートアップにとって入門しやすい
料金体系
- 無料プラン(機能・配信先が限定)
- 有料プラン(月額数千円から)
向く企業
- コストを抑えたい中小企業・スタートアップ
- プレスリリース配信を試してみたい段階の企業
Dream News(ドリームニュース)
特徴
- 中小企業・個人事業主に使いやすい価格帯
- ニュースサイトへの転載実績
料金体系
- 1配信数千円から
比較すべき5つの軸
配信サービスを選ぶ際は、以下の5つの軸で比較することをお勧めします。
軸1:配信先メディアの数と質
「何媒体に配信されるか」だけでなく、「自社の業界・ターゲットに届く媒体があるか」が重要です。数が多くても、関係ない媒体ばかりでは意味がありません。
確認すべきポイント
- 自社のターゲット業界メディアが含まれているか
- 配信先の中に「自分がターゲットにしているメディアの名前」があるか
- BtoBの場合、業界誌・専門メディア・ビジネスメディアが含まれるか
- 掲載後の実際の閲覧数(参考データを確認)
✅ 実践ポイント: 配信サービスの公式サイトで「配信先メディア一覧」を確認し、自社が「掲載されたい」と思うメディアが含まれているかをチェックしましょう。「配信先3,000媒体」という数より、「狙っているメディア1社」が含まれているかの方が重要です。
軸2:料金体系
| タイプ | 内容 | 向く場合 |
|---|---|---|
| 従量課金型 | 1配信ごとに課金(1,000〜50,000円程度) | 配信頻度が少ない(月1〜2回以下) |
| 月額定額型 | 一定回数まで配信し放題 | 配信頻度が多い(月3回以上) |
| 年間契約 | 年間一定回数・定額 | 定期的に発信する企業 |
配信頻度に応じて、どちらが得かが変わります。広報予算全体の考え方は 広報予算の立て方 を参照してください。
費用計算の例
- 月2回配信する場合:従量課金(1配信3万円)→ 月6万円 vs 定額プラン(月5万円・無制限)→ 定額が得
- 月1回配信する場合:従量課金(1配信2万円)→ 月2万円 vs 定額プラン(月5万円)→ 従量が得
軸3:SEO効果・転載
配信されたリリースが、どれだけのサイトに転載され、検索で見つかりやすくなるかを評価します。
- 転載サイト数:多いほどSEO的な被リンク効果がある
- ドメイン権威:転載先のドメイン権威が高いほど効果的
- プレスリリースページの掲載期間:掲載後にいつまでページが残るか
PR TIMESは自社メディアとしての閲覧数が多く、検索流入からリリースを見られる機会がある点でSEO効果が高い傾向があります。
軸4:操作性・サポート
- 入稿の操作性:リリースをフォームに入力・掲載する操作のしやすさ
- 画像・動画の扱い:複数画像・動画のアップロードが簡単かどうか
- プレビュー機能:配信前に掲載イメージを確認できるか
- サポート体制:電話・メールでのサポート有無、対応の速さ
初回利用の場合は、サポートが充実しているサービスを選ぶと安心です。
軸5:効果測定機能
配信後の閲覧数・転載状況などをレポートで確認できるかどうかを確認します(→ PR効果測定の基本)。
確認できると有用なデータ
- 閲覧数(PV)
- 転載媒体数・転載URL一覧
- SNSシェア数
- 読者の属性(可能なら)
サービス比較まとめ
| サービス | 特徴 | 料金感 | 向く企業タイプ |
|---|---|---|---|
| PR TIMES | 最大規模・SEO強 | 中〜高 | BtoC含む幅広い層 |
| @Press | BtoB・専門媒体に強い | 中 | BtoB・専門性が高い |
| 共同通信PR | 主要メディア・IR対応 | 高 | 上場企業・大手 |
| ValuePress! | コスパ・無料プランあり | 低〜中 | 中小・スタートアップ |
| Dream News | 低コスト・入門向け | 低 | 個人・小規模 |
配信のタイミングも成果を左右する
どのサービスを使うかと同じくらい、いつ配信するかも重要です。曜日・時間帯の選び方は プレスリリース配信タイミング で詳しく解説しています。
配信タイミングの基本
- 火〜木の午前10時〜12時が最も記者の目に留まりやすい
- 月曜・金曜・連休前は避けるのが基本
- 他社の大型発表と重なる日時は避ける
⚠️ 注意: プレスリリースを配信するタイミングと、実際にメディアに掲載される(報道される)タイミングには数日〜1週間のラグがあることを忘れずに。キャンペーン開始・イベント開催などに合わせて配信する場合は、逆算したスケジュールで準備してください。
無料と有料の違い
無料で配信できるサービスもありますが、配信先の数・質、転載のされ方、サポートに差が出ます。
| 比較項目 | 無料プラン | 有料プラン |
|---|---|---|
| 配信先数 | 少ない | 多い |
| 媒体の質 | 低め | 主要メディア含む |
| SEO効果 | 限定的 | 高い |
| サポート | 限定的 | 充実 |
| 効果測定 | 基本のみ | 詳細レポート |
立ち上げ期・試用期は無料から始め、本格運用で有料に移るのも一つの手です。特に予算が限られているスタートアップは、まず無料プランで配信の基本を学んでから有料への移行を検討するのが合理的です。
自社に合うサービスの見極め方
ステップ1:ターゲットメディアを先に決める
「どのメディアに載りたいか」を先に決め、そのメディアが配信先に含まれるサービスを選びます。
ターゲットメディアの種類
- 業界専門メディア(業界別の専門誌・ニュースサイト)
- ビジネスメディア(日経・東洋経済・Business Insider など)
- 地域メディア(地元紙・地域情報サイト)
- PR TIMESなどのプレスリリースメディア
- 海外メディア(グローバル展開している場合)
ステップ2:配信頻度から料金体系を選ぶ
- 月1〜2回の配信 → 従量課金型が得
- 月3回以上の配信 → 定額型が得
- 年間10回以上 → 年間契約を検討
ステップ3:複数社で比較する
- 各サービスの無料トライアル・初回割引を活用
- 同じリリースを複数サービスで配信し、到達・転載を比較する
- 1〜2回試してから本格利用するサービスを決める
受け取る側としての活用法(競合のリリースをチェックする)は PR TIMESの使い方・閲覧活用法 にまとめています。
配信した後の振り返りも忘れずに
配信して終わりではなく、以下の点を振り返ります。
振り返りのチェックリスト
- どれだけ閲覧されたか(PV数)
- どのメディアに転載されたか(URL一覧の取得)
- SNSでシェアされたか
- 問い合わせ・商談につながったか
- どのメディアに掲載されなかったか(次回の個別フォロー候補)
また、競合がどんなリリースを出しているかを観察すると、自社の配信内容やタイミングの改善に役立ちます。「競合が新製品をリリースした翌週に、自社の類似製品のリリースを出す」「業界の重要なニュースに関連したコメントリリースを出す」といった戦略的なタイミング設計にも応用できます。
競合のプレスリリースを自動で追うなら ReAnker(リアンカー) が便利です(月額300円、無料プランあり)。PR TIMESや@Pressに掲載された競合のプレスリリースを自動収集し、毎日の競合動向レポートとして確認できます。
プレスリリース配信の効果を最大化するために
配信サービスだけに頼らない
配信サービスは「広く届ける」ためのツールです。「特定のメディアに確実に届ける」ためには、個別のメディアリレーション(関係構築)が欠かせません。
- 配信サービスで広く配信 → 量と効率
- 重要メディアへの個別送付・フォロー → 質と確実性
メディアリレーションの基本
- 担当記者の名前・媒体の傾向を把握する(→ メディアリストの作り方)
- 記事掲載後のお礼・継続的な情報提供で関係を育てる
- 「記事になりそうな情報」を持つときに、信頼関係がある記者に優先的に伝える
配信後のコンテンツ活用
配信したプレスリリースは、そのままコンテンツとして再活用できます。
- 自社ウェブサイトのニュースページに掲載
- SNSで要約して発信
- メールマガジンで紹介
- 展示会・商談での配布資料に活用
💡 ポイント: プレスリリースの配信サービスは「投資」です。1回の配信で確実にメディア掲載されるとは限りません。3〜6ヶ月継続して配信することで、メディアへの露出と配信サービスでの検索流入(SEO効果)が積み上がっていきます。短期的な費用対効果だけで判断せず、中長期の積み上げを意識しましょう。
まとめ
プレスリリース配信サービスは、配信先の数と質・料金体系・SEO効果・操作性・効果測定の5軸で比較し、自社のターゲットメディアに届くかを最優先に選ぶ――これで費用対効果の高い配信ができます。
PR TIMESは国内最大規模の配信先とSEO効果が強み、@PressはBtoB・専門メディアへの到達が強み、共同通信PRは主要メディアやIR対応が強みです。自社の目的・ターゲット・配信頻度に合わせて最適なサービスを選びましょう。
配信タイミングと振り返り、そして競合の動向観察もセットで考えることで、広報活動全体の効果を高めることができます。
よくある質問(FAQ)
Q. プレスリリース配信サービスを選ぶときの比較軸は? A. 配信先メディアの数と質、料金体系、SEO効果・転載、操作性・サポート、効果測定機能の5つの軸で比較するのが基本です。なかでも「自社のターゲットメディアに届くか」を最優先に確認しましょう。
Q. 無料の配信サービスと有料の違いは何ですか? A. 無料プランでも配信できますが、配信先の数・質、転載のされ方、SEO効果、サポートに差が出ます。立ち上げ期は無料から始め、本格運用の段階で有料に移行するのも合理的な進め方です。
Q. 料金は従量課金と定額のどちらが得ですか? A. 配信頻度によって変わります。月1〜2回の配信なら従量課金型、月3回以上なら定額型、年間10回以上なら年間契約が有利になりやすいです。
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この記事を書いたチーム
ReAnker編集部
競合・PR動向モニタリングSaaS「ReAnker(リアンカー)」の開発・運営チーム。 PR TIMESとGoogle Newsを毎日監視するプロダクトの知見をもとに、広報・マーケティング担当者向けに競合監視とPR実務の情報を発信しています。 記事は公開後も定期的に見直し、事実関係・料金情報を更新しています(編集ポリシー)。
