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marketing-theory·2026年7月30日公開·執筆:ReAnker編集部

購買行動モデルとは|AIDMA・AISAS・DECAXの変遷

購買行動モデルとは何かを解説。AIDA・AIDMAから、ネット時代のAISAS、コンテンツ時代のDECAXまでの変遷、各モデルの意味と違い、マーケ施策への落とし込み、使い分けまで整理します。

#マーケティング理論#AIDMA#AISAS#購買行動モデル#ファネル
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顧客は、商品を知ってから買うまで、どんな心理プロセスをたどるのか。それを段階で表したのが購買行動モデルです。AIDMA、AISAS、DECAX――時代とともにモデルは変化してきました。この変遷を知ると、各段階で何をすべきかが見えてきます。

この記事では、代表的な購買行動モデルとその変遷、各モデルの意味と違い、SNS時代における購買ジャーニーの変化、そして施策への落とし込みを詳しく解説します。

購買行動モデルとは

購買行動モデルとは、消費者が認知から購買、その後に至るまでの心理・行動の段階を表したフレームワークです。各段階に合わせて施策を設計するために使います。マーケティングファネルとも密接に関係します(→ マーケティングファネルとフライホイール)。

なぜ購買行動モデルを使うのか

モデルを使う目的は「打ち手を段階に合わせて最適化すること」です。

  • 「知らない」人に詳細な製品説明をしても、関心を持ってもらえない
  • 「もう決めた」人に認知広告を打っても無駄になる
  • 各段階の顧客に、適切なコンテンツ・チャネル・メッセージで接触することが重要

AIDA(1898年〜):最も古典的なモデル

AIDAは19世紀末に広告業界で提唱されたモデルです。マーケティングモデルの祖先と言えます。

モデルの構造

  • Attention(注意):存在を知る
  • Interest(関心):関心を持つ
  • Desire(欲求):欲しいと思う
  • Action(行動):購買する

特徴

非常にシンプルで、今でも多くのモデルの基礎になっています。「認知→関心→欲求→行動」という流れは、テレビCMや新聞広告など、一方向のメッセージを大量に送るマス広告時代の購買プロセスを表しています。

AIDMA(1920年代〜):記憶を加えたモデル

AIDAにM(Memory:記憶)を加えたのがAIDMAです。米国の広告研究者ローランド・ホールが提唱したとされています。

モデルの構造

  • Attention(注意)
  • Interest(関心)
  • Desire(欲求)
  • Memory(記憶):購買直前まで覚えている
  • Action(行動)

特徴

「欲求」と「行動」の間に「記憶」が挟まります。マス広告を見てから実際に店頭で購買するまで、時間差があることを反映しています。

「繰り返し見ることで記憶に残る」というテレビCMの仕組みは、このMemoryの段階を攻略する施策です。

日本での普及

AIDMAは日本のマーケティング教育で長年使われてきた標準的なモデルです。今でも「認知→関心→欲求→記憶→行動」というフレームは、マーケティングの基礎として有効です。

AISAS(2004年〜):インターネット時代のモデル

インターネットの普及により、購買前行動に「検索」が入り、購買後に「共有」が加わりました。これを反映したのが、電通が2004年に提唱したAISASです。

モデルの構造

  • Attention(注意):広告・SNSで存在を知る
  • Interest(関心):気になる
  • Search(検索):Googleやアマゾンで調べる
  • Action(行動):購買する
  • Share(共有):SNS・レビューで感想を共有する

2つの革命的な変化

①検索(Search)が購買前に入った

消費者が「知る」と「買う」の間に「調べる」というステップを挟むようになりました。Googleで「〇〇 おすすめ」「〇〇 比較」「〇〇 評判」と検索するのが当たり前になりました。

これがSEO・コンテンツマーケティングが重要になった理由です。広告で認知を作っても、検索で良い情報が出てこなければ購買に至りません(→ 真実の瞬間(MOT)とZMOTとは)。

②共有(Share)が次の人の認知を生む

購買した人がSNSで感想を共有すると、それが別の人の「Attention(注意)」になります。一方向のプロセスが「循環」に変わりました。

「最後まで満足した顧客がSNSで共有することが、次の顧客の認知につながる」というWOM(口コミ)マーケティングの重要性が、AISASで明確に示されました。

(→ クチコミ・バイラルの理論)

DECAX(2015年〜):コンテンツ時代のモデル

スマートフォンの普及とSNSの定着で、「消費者が自ら情報を取りに行く」時代になりました。企業が「広告で注意を引く」のではなく、顧客が「役立つコンテンツを発見する」という起点の変化を反映したのがDECAXです。

モデルの構造

  • Discovery(発見):コンテンツやSNSで役立つ情報を見つける
  • Engage(関係構築):継続的にコンテンツを消費し、ブランドと関係を深める
  • Check(確認):購買前に情報を確認・比較する
  • Action(行動):購買する
  • eXperience(体験):実際に体験し、感想を発信する

従来モデルとの決定的な違い

AIDMAとの比較:

観点 AIDMA DECAX
起点 企業が広告で「注意を引く」 顧客が「コンテンツを発見する」
主導権 企業側 顧客側
関係 一方向(企業→顧客) 双方向(コンテンツを通じた関係構築)
代表施策 テレビCM・新聞広告 ブログ・SNS・YouTube・メルマガ

この「起点の違い」がDECAXの本質です。

「顧客が発見する」ためには、顧客が検索したり、SNSをスクロールする中で「価値あるコンテンツ」に出会うことが必要です(→ BtoBコンテンツマーケティングの始め方)。

SNS時代の購買ジャーニーの変化

2020年代のデジタル環境では、購買ジャーニーはさらに複雑になっています。

非線形化(行きつ戻りつ)

以前のモデルは「A→I→S→A→S」という直線的な流れを想定していましたが、実際の顧客は段階を行き来します。

  • 動画を見て(Attention)→ すぐに購買する(Action)
  • SNSで友人のシェアを見て(Share) → 自分で検索(Search) → 別の友人にも聞く(リサーチ)→ 購買(Action)

購買ジャーニーは「ループ」や「ショートカット」が多発する複雑な経路になっています。単一のモデルで全員の購買プロセスを説明することは難しくなっています。

インフルエンサーの介入

AISAS・DECAXでは、インフルエンサーが「発見(Discovery)」や「共有(Share)」の媒介として重要な役割を担っています。特にBtoCでは顕著で、BtoBでも思想的リーダー(KOL:Key Opinion Leader)の影響が増しています。

ゼロモーメントオブトゥルース(ZMOT)

Googleが提唱した「ZMOT(Zero Moment of Truth)」は、「店頭に行く前にオンラインでリサーチして購買意思決定の大部分が決まる」という現象です。

Search・Check・Discoverのフェーズが購買前に集中する傾向が強まっています。

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BtoBでの購買行動モデル

BtoBの購買プロセスは、BtoCより長く複雑です。

BtoBの特性

  • 検討期間:数週間〜数年
  • 関与する意思決定者:複数(担当者・IT部門・財務・経営者)
  • 購買の繰り返し:継続契約・更新が多い

(→ BtoBペルソナ・カスタマージャーニー設計の実務)

BtoBでのAISAS活用

Attention(認知):

  • 業界イベント・展示会
  • 業界媒体・専門誌
  • LinkedIn・Xでの情報発信
  • SEO・コンテンツ(ブログ・ホワイトペーパー)

Interest(関心):

  • Webサイト・ランディングページ
  • ウェビナー・無料セミナー
  • ホワイトペーパー・資料ダウンロード

Search(検索):

  • 比較サイト(ITreview、G2等)
  • 同業者・知人への相談
  • 詳細なスペック確認・事例検索

Action(行動):

  • デモ申し込み・トライアル
  • 見積もり依頼・商談
  • 契約

Share(共有):

  • 事例インタビューへの協力
  • 口コミ・レビュー投稿
  • 社内での他部門への紹介

✅ 実践ポイント: BtoBでは「Share(共有)」フェーズを意図的に作ることが重要です。「導入事例を一緒に作りませんか?」というオファーは、顧客にとってもブランディングになります。積極的に事例化・口コミ化を促しましょう。

施策への落とし込み

各モデルの段階を、具体的な施策と対応させます。

AISAS × BtoBの施策マッピング

ステージ 顧客の状態 効果的な施策 コンテンツ例
Attention 課題はあるが、解決策を知らない 広告、SEO、SNS、PR ブログ記事、SNS投稿、プレスリリース
Interest 解決策に気づき、興味を持つ LP、コンテンツ、セミナー 課題解決コンテンツ、ウェビナー
Search 具体的な選択肢を探している SEO、比較コンテンツ、事例 事例記事、比較ガイド、デモ動画
Action 購買を決めた・検討している CV最適化、デモ・トライアル デモ申込フォーム、無料トライアル
Share 使ってみた・継続している 事例化、コミュニティ、紹介制度 事例インタビュー、ユーザーコミュニティ

「どこで詰まっているか」を診断する

自社のファネルをAISASに当てはめると、どこで顧客が離脱しているかが見えます。

  • Attention→Interestで詰まる:LPや初回コンテンツの訴求力が弱い
  • Interest→Searchで詰まる:検索した際に競合の情報が多すぎて負けている
  • Search→Actionで詰まる:事例・信頼性情報が不足している、CV導線が弱い

⚠️ 注意: 購買行動モデルはあくまで「モデル(単純化)」です。実際の顧客はモデル通りに動きません。自社の顧客データを分析して、実際の行動パターンを把握することが、最も重要です。モデルは「考えるための道具」として使いましょう。

モデルの変遷が示すもの

  • マス時代(AIDMA):企業が一方的に認知を作る
  • ネット時代(AISAS):顧客が検索し、共有する
  • コンテンツ時代(DECAX):顧客が発見し、関係を築く

主導権が、企業から顧客へ移ってきた歴史とも言えます。

この変化が示す本質は「顧客を「追いかける」のではなく、顧客が「来たくなる」場所を作ること」です。SEO・コンテンツマーケティング・SNS活用が重要になった理由は、まさにここにあります。

購買行動モデルと競合監視

競合がどのステージに向けたメッセージを発信しているかを追うことで、自社の購買行動モデル設計の精度が上がります。

競合のリリースや報道を毎日追うなら、ReAnker(リアンカー)のような自動監視ツールが便利です。PR TIMESのプレスリリースとGoogle Newsの報道を自動で取得します。競合の新施策発表を素早くキャッチして、AIDA・AISASどのステージを狙った動きかを読み解くのに役立ちます。フリープランなら無料で利用でき、本格的に使うならスタンダードプラン(月額300円・税抜)があります。

まとめ

購買行動モデルは、AIDMA→AISAS→DECAXと、時代とともに「検索」「共有」「発見」を取り込んで変化してきました。

各モデルの特徴まとめ:

モデル 時代 特徴 中心となる施策
AIDMA マス広告時代 企業が一方的に認知を作る テレビCM・新聞広告
AISAS インターネット時代 検索と共有が加わる SEO・コンテンツ・SNS
DECAX コンテンツ時代 顧客が発見し関係を築く コンテンツマーケ・SNS・コミュニティ

共通するのは、各段階で顧客の心理に合わせた打ち手を用意するという考え方です。自社の顧客に合うモデルで、施策を段階的に設計しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 購買行動モデルとは何ですか? A. 消費者が商品を認知してから購買し、その後に至るまでの心理・行動の段階を表したフレームワークです。各段階に合わせて施策を設計するために使います。AIDMA・AISAS・DECAXなど、時代とともに複数のモデルが提唱されてきました。

Q. AIDMAとAISASの違いは何ですか? A. AIDMAはマス広告時代のモデルで、認知→関心→欲求→記憶→行動という企業からの一方向の流れを表します。AISASはインターネット時代を反映し、購買前に「検索(Search)」、購買後に「共有(Share)」が加わった点が大きな違いです。共有が次の人の認知を生むことで、直線的な流れが循環に変わりました。

Q. どのモデルを使えばよいですか? A. モデルはあくまで単純化した「考えるための道具」で、実際の顧客はモデル通りには動きません。自社の顧客データを分析し、実際の行動パターンに近いモデルを選んで施策を段階的に設計するのが実務的です。

関連記事:マーケティングファネルとフライホイール / 真実の瞬間(MOT)とZMOTとは / BtoB SaaSのマーケファネル設計 / BtoBコンテンツマーケティングの始め方

この記事を書いたチーム

ReAnker編集部

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