Zapier・Makeで競合監視を自動化する方法|ノーコード連携レシピ
Zapier・Makeで競合監視を自動化する手順を、RSS→Slack通知など具体的なレシピで解説。無料枠の上限(タスク数・実行間隔)、自作で発生する保守コスト、専用SaaSとの損益分岐まで、実務目線で整理します。
「専用ツールにお金をかける前に、まずZapierで競合監視を自動化できないか」。エンジニアでなくても組めるノーコード連携は、有力な選択肢です。RSSやWebhookをきっかけに、Slack通知やスプレッドシートへの記録を自分で構築できます。
ただし、無料枠には上限があり、作った後の保守も地味に効いてきます。この記事では、コピーして組める具体的なレシピと、無料枠の限界、そして「自作 vs 専用SaaS」の損益分岐を整理します。
ノーコード自動化の全体像(トリガー→加工→アクション)
競合監視の自動化は、3段で考えるとシンプルです。
- トリガー:RSSの新着、Webhook、スケジュール実行
- 加工:キーワードでフィルタ、タイトルとURLだけ抽出、重複除去
- アクション:Slack通知、メール送信、Googleスプレッドシートに追記
ZapierとMakeは「ノーコードで自動化する」という目的は同じですが、設計思想が異なります。Zapierは「直感的に使える」を重視し、Makeは「柔軟に作り込める」を重視しています。
| 比較軸 | Zapier | Make(旧Integromat) |
|---|---|---|
| 学習コスト | 低い(直感的) | やや高い(自由度が高い分) |
| 課金単位 | タスク数 | オペレーション数 |
| 分岐・ループ | 苦手寄り | 得意 |
| 無料枠の目安 | 月100タスク / 最短15分間隔 | 月1,000オペレーション |
| 日本語サポート | △ | △ |
| 対応コネクタ数 | 6,000以上 | 1,200以上 |
まずZapierで小さく始め、分岐が増えてきたらMakeへ移すと無理がありません。
競合監視の情報源となるRSS/フィードの種類
ノーコード自動化のトリガーになる情報源を整理します。
PR TIMES のRSS
PR TIMES は RSS フィードを複数提供しています。
| フィード | URL | 用途 |
|---|---|---|
| 全件RSS | https://prtimes.jp/index.rdf |
全プレスリリースの配信 |
| キーワード検索RSS | https://prtimes.jp/topics/keywords/[キーワード].rdf |
キーワード別の配信 |
| 企業別RSS | 企業ページから取得 | 特定企業のリリース |
Google アラートのRSS化
Google アラートの通知をRSSとして出力し、Zapierでトリガーにする方法です。
- alerts.google.com でキーワード登録
- 「配信先」を「RSSフィード」に設定
- 「アラートを作成」→ 生成されたURLをZapierに設定
競合ブログのRSS
多くのBlogやお知らせページはRSSを提供しています。URLに /feed, /rss, /atom.xml を追加してみると取得できることがあります。
コピーして組めるレシピ集
レシピ1:RSS → Slack通知(基本形)
競合ブログのRSS、またはGoogleアラートで作った検索RSSをトリガーにして、新着をSlackの専用チャンネルへ流します。
Zapierの設定手順:
- 「Zap を作成」→ トリガーを選択
- トリガー:「RSS by Zapier」→ 「New Item in Feed」
- RSSのURLを入力(例:PR TIMESのキーワードRSS)
- アクション:「Slack」→ 「Send Channel Message」
- 投稿先チャンネル、メッセージ内容(タイトル+URL)を設定
- テスト送信 → 有効化
Makeの設定手順:
- 「Create a new scenario」
- モジュール:「RSS」→ 「Watch RSS feed items」
- フィードURL入力
- 「+」→ 「Slack」→ 「Create a message」
- チャンネル・テキストをマッピング
- スケジュール設定(15分〜1時間ごとなど)
RSSの集め方は RSS・Feedlyで競合監視を組む実務ガイド、Slack通知の手段比較は 競合ニュースをSlackに自動通知する方法 を参照してください。
レシピ2:RSS → Googleスプレッドシート蓄積
同じRSSトリガーから「Google Sheets(Create Spreadsheet Row)」につなぎ、日付・タイトル・URLを追記して履歴化します。
設定のポイント:
| 列 | 内容 |
|---|---|
| A列 | 日付(publishedAt or Zapier実行日時) |
| B列 | タイトル(title) |
| C列 | URL(link) |
| D列 | ソース(「PR TIMES」「Google News」など固定値) |
| E列 | 競合企業名(固定値) |
あとで競合のリリース頻度を月次で振り返るときに効きます(→ 競合監視シートの作り方)。
活用シーン:
- 月次で「競合Aは今月何件リリースを出したか」を集計
- 四半期で「どの競合が最もアクティブか」を分析
- 週次定例で「今週の競合動向」をシートから抽出
レシピ3:キーワードでフィルタして重要度を分ける
トリガーとアクションの間に「Filter」を挟み、重要な記事と通常記事で通知先を変える構成です。
Zapierの設定例:
トリガー:RSS 新着
↓
フィルタ:タイトルに「値上げ」「資金調達」「新機能」「提携」「買収」を含む
↓ YES → Slack の #緊急競合情報 チャンネルに即時送信
↓ NO → Slack の #競合情報-通常 チャンネルに送信(または送信しない)
✅ 実践ポイント: フィルタに入れるキーワードは「自社が競合に関して最も気にしていること」を基準に設定してください。「資金調達」「買収」「値上げ」「新機能リリース」は多くのBtoB企業で重要度が高いキーワードです。
レシピ4:1日1回のダイジェスト化
「Schedule by Zapier」で毎朝9時に起動し、前日分をまとめて1通にする構成です。通知が1日に何度も飛ぶと読まれなくなるため、まとめ送信は実務的に重要です。
Makeでの構成例:
スケジュール:毎朝9時
→ Googleスプレッドシートから「昨日のデータ」を取得
→ テキストにフォーマット(「昨日の競合動向:」+ リスト)
→ Slackに送信
ただし、スプレッドシートとの連携が必要なため、レシピ2(スプレッドシート蓄積)と組み合わせる必要があります。
レシピ5:Slackコマンドでオンデマンド取得
Slack Botに「今日の競合情報は?」と送ったら、PR TIMESのRSSを取得して返す構成。Makeの「Slack bot」モジュールと「RSS」モジュールを組み合わせます。
高度な構成になるため、ノーコードの経験者向けです。
Zapier と Make の無料枠の限界
便利な反面、無料枠で競合監視を本格運用しようとすると、次の壁に当たります。
Zapier 無料枠の制約
| 制約 | 内容 |
|---|---|
| タスク数 | 月100タスクまで(1件の記事配信 = 1タスク) |
| Zap数 | 5個まで |
| 実行間隔 | 最短15分(無料プラン) |
| マルチステップZap | 使えない(プレミアム機能) |
具体的に何が起きるか:競合5社×PR TIMES月10件=月50件の記事取得。これで月100タスクの半分を消費。Google Newsを追加するとすぐに上限に到達。
Make 無料枠の制約
| 制約 | 内容 |
|---|---|
| オペレーション数 | 月1,000オペレーション |
| アクティブシナリオ | 2個まで |
| データ転送 | 100MB/月 |
| スケジュール実行 | 最短15分間隔 |
競合を5社・PR TIMES + Google News を監視すると、月数百〜数千オペレーションに達します。
⚠️ 注意: 競合数や情報源を増やすとすぐに無料枠を超えます。Zapierの有料プラン(月約$20〜)やMakeの有料プラン(月約$10〜)が必要になり、専用SaaSとコストが逆転することがあります。
有料化した場合のコスト比較
| ツール | 月額(有料最小プラン) | 月間処理量 |
|---|---|---|
| Zapier Starter | $20(約3,000円) | 750タスク |
| Make Core | $10.59(約1,600円) | 10,000オペレーション |
| ReAnker スタンダード | ¥300 | 無制限 |
競合5社以上を毎日監視するには Zapier/Makeの有料プランが必要になることが多く、月1,600〜3,000円の出費になります。専用SaaSの月300円と比べると、自作のほうが高くつくケースが珍しくありません。
見落とされがちな「自作の保守コスト」
作って動いた時点がゴールではありません。運用に入ると次が効いてきます。
保守コスト1:RSSの停止・仕様変更でフローが静かに止まる
- PR TIMESのRSS URLが変更される
- Google アラートのRSS形式が変わる
- エラーが出てもZapierから通知が来ない設定のままだと気づけない
「いつの間にか止まっていた」は自作運用でよく起きます。
保守コスト2:重複・取りこぼし・通知過多のチューニングが続く
同じ記事が複数のフィードで重複配信される、逆に取りこぼしが発生する、通知が多すぎて誰も読まなくなる――これらの問題は、実際に運用しながら調整が必要です。
保守コスト3:属人化
作った本人しか直せず、担当が変わると放置される事態になりやすいです。「誰も触れないZap」が蓄積し、気づいたら壊れたまま放置されているケースも。
保守コスト4:ドキュメント不足
「このZapは何をするものか」が分からなくなる。メンテナンスに入れない。
月次保守の所要時間の目安:
| 運用複雑度 | 月次メンテナンス時間 |
|---|---|
| シンプル(1〜2個のZap) | 15〜30分 |
| 標準(5〜10個のZap・フィルタあり) | 1〜2時間 |
| 複雑(分岐・ループ・DB連携) | 3〜5時間以上 |
時給2,500円換算で、標準的な運用でも月3,750〜5,000円の人件費がかかります。
自作と専用SaaSの損益分岐
判断軸はシンプルで、「目的と保守の許容度」です。
自作(Zapier/Make)が向くケース
- 独自の情報源がある(社内データベース・特殊なSaaSとの連携)
- PR TIMES・Google News以外の特殊なソースも監視したい
- 要件が特殊で既製品では対応できない
- 社内にエンジニアまたはSaaS得意な担当者がいる
- 将来的に他の自動化と組み合わせて使いたい
専用SaaSが向くケース
- PR TIMESとGoogle Newsの競合監視が主目的
- 設定や保守に時間を割きたくない
- すぐに使い始めたい(即日セットアップ)
- 担当者が変わっても引き継ぎが容易な状態にしたい
- チームで使う(共有ダッシュボード・CSV出力が欲しい)
PR TIMES+Google Newsの競合プレスリリース監視が目的なら、自作より ReAnker(リアンカー) のような専用ツールのほうが、設定も保守も不要で結果的に安くつくことが多いです。競合名・サービス名・ドメインをアンカーに登録すれば、毎日自動でスキャンし、前日の新着を毎朝9時にSlackやメールへまとめて配信してくれます(無料プランあり、スタンダードで月額300円)。Zapierの保守に毎月手をかけるより、その時間を競合動向の分析に回せます。
コスト全体比較:自作 vs 専用SaaS
競合5社を毎日監視する場合の月間コスト比較の目安です(人件費は概算)。
| 構成 | ツール費 | 人件費(月次保守) | 合計 |
|---|---|---|---|
| 完全手作業 | ¥0 | 月17時間×¥2,500=¥42,500 | ¥42,500 |
| Zapier無料 + 手動補完 | ¥0 | ¥10,000 | ¥10,000 |
| Zapier有料 | ¥3,000 | ¥5,000 | ¥8,000 |
| Make有料 | ¥1,600 | ¥5,000 | ¥6,600 |
| ReAnker スタンダード | ¥300 | ¥0(保守不要) | ¥300 |
「ツール費だけで比較」すると Zapier 無料が有利に見えますが、人件費を込みで計算すると専用SaaSが圧倒的に低コストになります。
Zapierを使い続けるべき人・切り替えを検討すべき人
Zapierを使い続けてよい人
- PR TIMES・Google News 以外の独自ソースを組み込んでいる
- 競合監視だけでなく、他の自動化も組んでいてZapier自体をフル活用している
- 社内エンジニアが保守をしている
- Zapierの有料プランを他用途でも使っているため追加コストがゼロ
ReAnkerへの切り替えを検討すべき人
- 目的が「PR TIMES + Google News の競合監視」に特化している
- Zapierの設定・保守が面倒になってきた
- 「いつの間にか止まっていた」経験がある
- チームメンバーに引き継ぎしたい
- 月次レポート用のCSV/PDFエクスポートが欲しい
まとめ
- まずは「RSS → Slack」の基本レシピで小さく自動化する
- フィルタとダイジェストで、通知の質を保つ
- 無料枠の上限と保守コストを前提に置く
- PR TIMES/Google News監視が主目的なら、自作にこだわらず専用SaaSも比較する
ノーコードは強力ですが、維持コストは確実に発生します。手数が重くなってきたら、専用ツールへの移行を検討しましょう。
💡 ポイント: 「Zapierで作ってみる価値」と「専用SaaSを最初から使う価値」は状況によって変わります。「独自の要件がある」なら自作、「PR TIMESとGoogle Newsだけ追えればいい」なら最初からReAnkerのような専用SaaSを選ぶのが時間的コスト最小化になります。
よくある質問(FAQ)
Q. Zapierの無料枠で競合監視はできる? A. RSS→Slack通知などの基本的な自動化は無料枠でも組めますが、タスク数・Zap数・実行間隔に上限があります。競合数や情報源を増やすとすぐに上限に達し、有料プランが必要になります。まず小さく試す用途には向いています。
Q. 自作と専用SaaSはどちらが安い? A. ツール費だけを見れば無料枠の自作が有利に見えますが、設定・保守にかかる人件費を含めると、専用SaaSのほうが低コストになるケースが多いです。独自の情報源や特殊な要件があるなら自作、PR TIMESとGoogle Newsの監視が主目的なら専用SaaSが向きます。判断軸は「目的と保守の許容度」です。
関連記事:RSS・Feedlyで競合監視を組む実務ガイド / 競合ニュースをSlackに自動通知する方法 / Slackで競合のプレスリリースを自動通知する方法 / 競合調査を自動化する方法
この記事を書いたチーム
ReAnker編集部
競合・PR動向モニタリングSaaS「ReAnker(リアンカー)」の開発・運営チーム。 PR TIMESとGoogle Newsを毎日監視するプロダクトの知見をもとに、広報・マーケティング担当者向けに競合監視とPR実務の情報を発信しています。 記事は公開後も定期的に見直し、事実関係・料金情報を更新しています(編集ポリシー)。
