競合のセミナー・ウェビナー情報を追う方法|BtoBの競合監視
競合のセミナー・ウェビナー・展示会情報を継続的に追う方法を解説。告知の情報源、申込んで中身を観察する際の注意点、テーマから競合の注力領域を読む見方、収集の効率化まで実務目線で整理します。
競合がどんなセミナー・ウェビナーを開いているかは、「いまどの層に・何を訴えて集客しているか」が透けて見える情報源です。BtoBでは、ウェビナーがリード獲得の主戦場の一つなので、競合のテーマ選びを観察することは、自社の企画のヒントにもなります。
この記事では、競合のセミナー・ウェビナー・展示会情報を継続的に追う方法を、情報源の押さえ方から観察のマナー、自社への活かし方まで詳しく解説します。競合監視の実務担当者や、BtoBマーケターの方に向けた内容です。
競合のセミナーを追うと何がわかるか
ウェビナーやセミナーの情報は、競合の「今の戦略の断面」が見える貴重なインテリジェンスです。
注力テーマとターゲット層
セミナーのタイトルと対象者から、競合がいま狙っている市場が読めます。
- タイトルに使うキーワード=いま重点的に訴求したい価値軸
- 対象者の絞り方=リードとして狙っている職種・業種・規模
- シリーズ化しているテーマ=中長期で注力している領域
たとえば、競合が「CFO向け」のウェビナーを連続開催し始めたなら、エンタープライズのエグゼクティブ層へのアプローチを強化している可能性があります。
共催パートナー
誰と組んでいるか=アライアンスの動きがわかります。
- 共催している会社の業種・規模・市場での立ち位置
- 新たなパートナーシップの公式発表前の兆候になることも
- 自社がアライアンスを検討する際の参考になる
訴求とオファー
集客のための切り口(訴求)と、申し込み特典(オファー)の設計を観察できます。
- どんな課題感・ベネフィットをタイトルに打ち出しているか
- 「○○分で理解できる」「実践できる」といった形式訴求
- 特典(テンプレート・レポート・個別相談)の有無と内容
💡 ポイント: 競合のセミナーテーマは「今市場で関心を集めているテーマ」の指標にもなります。競合が繰り返し取り上げているテーマは、それだけ反応がいい証拠。自社のコンテンツ・ウェビナー企画の参考になります。
登壇者の役職・変化
誰が登壇しているかも情報です。
- 代表・役員が登壇=力を入れている訴求
- 外部のゲストスピーカーの業種・肩書き=ターゲット市場のヒント
- 登壇者が変化している場合=組織変化・戦略転換のシグナルになることも
情報源:どこで競合の告知を拾うか
競合のセミナー告知は、複数の場所に散らばっています。特定のプラットフォームだけを見ていると見落としが生じます。
競合の公式セミナー・イベントページ
最も基本的な情報源です。多くのBtoB企業はウェブサイトに「セミナー・イベント」ページを持っており、定期的に更新されます。
- 最初に確認するのは競合サイトのイベント一覧ページ
- ページの更新をウォッチする仕組みを作る(後述)
- 申し込みページのURLも記録しておくと、プラットフォームがわかる
メルマガ・SNS告知
メルマガ(ニュースレター)やSNSは、競合が最も力を入れて告知するチャネルです。
- メルマガ:競合の公式メルマガに登録する(個人のアドレスで)
- X(旧Twitter):公式アカウントをフォローし、告知ツイートを見る
- LinkedIn:特にBtoBでは企業ページ・担当者ページでのセミナー告知が多い
- Facebook:イベント機能を使った告知
(→ 競合のSNSを監視する方法)
集客プラットフォーム・イベント告知サイト
日本国内で主要な集客プラットフォームを横断的に確認することで、競合の告知を漏れなく拾えます。
- Peatix:幅広いジャンルのイベント告知
- connpass:IT・テック系に強い
- こくちーず(国内最大級):幅広いセミナー情報
- セミナーバンク:ビジネス系セミナー情報
これらで競合の会社名を検索すると、主催するイベント一覧が見られます。
業界メディアのイベント情報
業界メディアや展示会主催者のサイトには、競合が協賛・登壇するイベント情報が掲載されます。
- 業界専門誌のイベント欄
- 展示会の出展者一覧(〇〇EXPO、業界カンファレンスなど)
- 協会・団体主催の研究会・セミナーへの登壇情報
プレスリリース
ウェビナーや展示会への参加・登壇をプレスリリースで告知するBtoB企業は多くあります。PR TIMESなどで競合名を検索したり、ReAnker(リアンカー) に競合を登録して自動収集したりすることで、こうした告知も漏れなく把握できます(月額300円、無料プランあり)。
✅ 実践ポイント: 情報源は「競合サイト」「メルマガ登録」「SNSフォロー」「集客プラットフォーム検索」「プレスリリース監視」の5つをすべてカバーするのが理想です。一つだけでは必ず漏れが出ます。
観察のしかた:実地参加の注意点
競合のウェビナーに実際に申し込んで内容を見るのは、合法的かつ有効な競合調査の手段です。ただしマナーを守ることが前提です。
公開セミナーに限る
一般向けに公開されているウェビナー・セミナーに参加することは問題ありません。「競合担当者お断り」などの明示的な制限がある場合はその限りではありません。
身元を偽らない
参加申し込みで会社名・氏名を偽ることは避けます。「○○株式会社 マーケティング部」など実際の情報で申し込みます。競合だからといって偽名を使う必要はありません。多くの競合もお互いにセミナーに参加しています。
見るべきポイント
実際に参加したとき、以下の観点で観察します。
コンテンツ面
- テーマの設定:どんな課題を前提にしているか
- 内容の構成:どんな順序でどんな論点を扱っているか
- 使っているデータ・事例:市場データや導入事例の使い方
- 結論・提言:最終的に何を訴えているか
営業・マーケ面
- CTA(行動喚起):参加者に何をしてほしいか(資料DL・商談申込・トライアル)
- フォローアップ:参加後に何が届くか(フォローメール・次のウェビナー招待)
- 価格・プランの言及:料金について何か触れているか
組織・戦略面
- 登壇者の役職と話すテーマ:どの職位が何を語っているか
- Q&A で出た質問:市場の生の関心が見える
資料・録画の二次利用に注意
競合のウェビナーで入手した資料・録画は、規約を守り、無断転用しません。参加によって得た情報は、自社の戦略判断に活かすことはできますが、コンテンツそのものを転用・引用する場合は著作権に注意が必要です。
継続して追う仕組みを作る
競合のウェビナー・セミナーを一度見るだけでは戦略的インサイトは得られません。継続的に追い続けることで変化を読むのが本当の競合インテリジェンスです。
セミナーページの更新を差分監視
競合のセミナーページの更新を自動で検知する仕組みを作ります(→ 競合サイト・LPの更新を自動検知する方法)。
告知をRSS・通知で拾う
SNSやプラットフォームの通知機能・RSSを活用します(→ RSS・Feedlyで競合監視を組む実務ガイド)。
- 競合のX(旧Twitter)を通知オンにする
- 集客プラットフォームで主催者として登録し、新着通知を受け取る
月次でテーマの変化を記録
観察した情報をシートに記録し、月次でテーマの変化を追います(→ 競合監視シートの作り方)。
記録すべき項目:
- 開催日時
- タイトル・テーマ
- 対象者(ターゲット)
- 共催パートナー
- 集客プラットフォーム
- 申込数(公開されていれば)
- 主要なCTA
月次で振り返ると、「3ヶ月前まではAという課題を訴求していたが、最近Bにシフトしている」といった変化が見えてきます。
⚠️ 注意: 競合のウェビナー監視で得た情報は、あくまでも自社の戦略判断のために使います。「競合がこのテーマで来るなら、うちが先に同じテーマでやろう」という短絡的な模倣ではなく、「市場の関心の方向性を読み、自社の差別化に活かす」という視点が重要です。
日常的に押さえる競合情報の全体像は BtoBマーケターの競合調査 を参照してください。
自社への活かし方
競合のウェビナー・セミナー情報を収集・分析したら、自社の戦略に具体的に活かします。
ウェビナー企画のヒントに
競合が当てているテーマは、市場の関心が高い証拠です。同じテーマで自社視点・自社強みを打ち出した企画を立てる参考になります。
- 競合が「○○の課題解決」で集めているなら、その課題は市場で旬のテーマ
- 自社の強みを活かした切り口で同テーマに挑む
- 競合のウェビナーで出たQ&A(質問)から、市場の疑問・関心を抽出する
かぶり回避・差別化
競合と同じタイミング・同じテーマでウェビナーを打つと、集客が分散します。競合の開催スケジュールを把握して、時期をずらすか、切り口を差別化します。
- 競合が「入門編」なら自社は「実践編・応用編」
- 競合が「機能紹介」なら自社は「導入事例・ROI」
- 競合が「一般向け」なら自社は「特定業種特化」
共催候補の発見
競合が共催している企業・団体から、自社が組める潜在的なアライアンスパートナーが見つかることもあります。競合が共催しているということは、その企業の顧客層と自社のターゲットが重なっている証拠です。
自社のウェビナー運用の基本は ウェビナー運用の基本 にまとめています。
まとめ
競合のセミナー・ウェビナー監視は、テーマ・対象・共催を読み、告知を通知で拾い、月次で記録して自社の企画に活かす――この流れが基本です。
実践のポイントを整理します。
- 情報源を5つカバー:公式サイト・メルマガ・SNS・集客プラットフォーム・プレスリリース
- 実地参加はマナーを守る:身元を偽らず、コンテンツの無断転用はしない
- 月次で変化を記録:テーマの変化が戦略変化のシグナルになる
- 自社に活かす:企画ヒント・差別化・アライアンス候補の発見
競合の集客テーマは、市場の関心を映す鏡として活用しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 競合のセミナー・ウェビナー情報はどこで拾える? A. 公式サイトのイベントページ、メルマガ、SNS、集客プラットフォーム(Peatix・connpassなど)、プレスリリースの5つをカバーするのが理想です。一つだけでは必ず漏れが出ます。
Q. 競合のウェビナーに参加してもいい? A. 一般公開されているウェビナーへの参加は、合法かつ有効な競合調査の手段です。ただし会社名・氏名を偽らず、入手した資料や録画を無断転用しないマナーが前提です。
Q. 競合のセミナーテーマから何がわかる? A. タイトルや対象者から、いま狙っている市場と訴求したい価値軸が読めます。共催パートナーからはアライアンスの動きが、繰り返し扱うテーマからは市場で関心が高い領域が見えます。
関連記事:BtoBマーケターの競合調査 / ウェビナー運用の基本 / 業界動向を毎日把握する情報収集術 / 競合監視の完全ガイド
この記事を書いたチーム
ReAnker編集部
競合・PR動向モニタリングSaaS「ReAnker(リアンカー)」の開発・運営チーム。 PR TIMESとGoogle Newsを毎日監視するプロダクトの知見をもとに、広報・マーケティング担当者向けに競合監視とPR実務の情報を発信しています。 記事は公開後も定期的に見直し、事実関係・料金情報を更新しています(編集ポリシー)。
